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コラム

涼やかな川風に下駄を鳴らし、夏の海山の幸に舌鼓 — 湯上がりを静かな和室で過ごす城崎の夜

夏の城崎温泉は、太陽が西の山へと沈み、温泉街に行灯(あんどん)のあたたかな光が灯る頃から、もっとも美しい時間を迎えます。日中の暑さが和らぎ、夜の大谿川(おおたにがわ)沿いを渡る涼やかな風は、浴衣姿の肌に心地よく滑り込み、旅人を非日常の世界へと誘います。

この情緒あふれる湯の町で、大人の休日にふさわしい「衣・食・住」の贅沢を静かに味わわせてくれるのが、温泉街の中心に佇む純和風旅館「しののめ荘」です。涼を呼ぶ川風に吹かれながら、地元の美味を堪能し、静寂な和室で心と身体を整える。そんな夏の城崎の一夜の過ごし方をご紹介します。

【衣】涼やかな川風を感じながら、下駄を鳴らす夜の散策

城崎の旅の幕開けは、日常の装いから浴衣へと身を包むことから始まります。しののめ荘では、旅の気分を華やかに彩る女性向けの柄浴衣の貸出サービスが用意されており、お気に入りの一着をまとって町へ繰り出すことができます。

カランコロンと心地よい下駄の音を石畳に響かせながら一歩外へ出れば、そこは川面にライトアップされた橋や行灯の灯りが揺れる幻想的な夜の温泉街です。 しののめ荘は温泉街の中心に位置しながらも、メイン通りから一本入った静かな場所に佇んでいるため、にぎやかな散策路へすぐに出られる利便性と、宿に戻ったときの静けさの両方を手に入れることができます。

宿からほど近い「地蔵湯」や「柳湯」をはじめとする七つの外湯へ、涼しい夜風を浴びながらふらりと出かける“はしご湯”は、夏の夜だからこそ感じられる最高の贅沢です。湯上がりに川辺のベンチに腰掛け、柳の葉が風に揺れる音を聞きながら涼む時間は、忘れがたい旅の余韻を心に刻んでくれます。

【食】但馬の豊かな自然が育む、夏の海山の幸に舌鼓

散策を楽しみ、心地よい汗を流した後は、旅の大きな愉しみである「食」の時間が待っています。しののめ荘で提供される会席料理は、但馬や城崎の肥沃な大地と日本海が育んだ、四季折々の新鮮な地元食材が主役です。

夏の夕食を彩るのは、瑞々しく旨味が凝縮された「紅ズワイ蟹」や、赤身の旨味と脂のキレが見事に調和する地元の誇り「但馬牛」といった、厳選された地場の主役たちです。さらに、地元農家から直接届く新鮮な野菜や、但馬の豊かな風土で丁寧に栽培されたお米が、一皿一皿に美しい彩りと軽やかな調べを加えてくれます。 外湯めぐりの賑やかさから離れ、落ち着いた和の空間で冷たい地酒とともに地の恵みをゆっくりと味わう膳。一口ごとに身体が満たされていくような感覚は、大人の温泉ステイにふさわしい至福のひとときです。

【住】湯上がりに身をゆだねる、静寂の和室のやすらぎ

美味に心を満たされた後は、しののめ荘が大切に守り続けている「静けさ」と「木の温もり」に包まれた館内で、何もしない贅沢をただ味わいましょう。

まるで我が家に帰ってきたかのような懐かしさと、やさしい空気に満ちた和室は、日常の喧騒から完全に遮断された、まさに旅人の「もう一つの居場所」です。本館に広がる畳の香りが心地よい純和室のほか、モダンな快適さを備えた和洋室、2022年秋にリニューアルされたプライベートな湯浴みを愉しめる陶器風呂付き客室など、多様なニーズに寄り添う空間が用意されています。

静かな夜の館内を歩けば、廊下に設えられたガラス床越しに、中庭の池を優雅に泳ぐ錦鯉の姿が目に留まります。涼しげに揺れる水景を眺めていると、湯上がりの火照った身体と心が、さらに深くほぐれていくのを感じるでしょう。 一日の終わりには、館内の天然温泉である「岩風呂」や、別館の「貸切風呂」へ。美肌効果や保湿性が高いとされる塩化物泉の温かいお湯にただ身を沈め、静寂の中で深呼吸をすれば、心身の緊張が自然とほどけ、深い眠りへと導かれていきます。

おわりに ― 湯・町・宿がひとつに溶け合う、夏の夜の余韻

下駄を鳴らして夏の川風に吹かれ、但馬の美食を味わい、最後は静寂な和の空間で心を整えて眠りにつく。 しののめ荘を拠点に過ごす夏の夜は、観光地を忙しく巡るだけの旅ではなく、時間そのものを贅沢に味わう「余白」に満ちた滞在を叶えてくれます。

今年の夏は、慌ただしい日常を一旦お休みして、涼やかな風と豊かな静けさが待つ城崎温泉・しののめ荘へ、心と身体を整える旅に出かけてみませんか。

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